言わなければわかない時代になってしまった
- 2019年06月14日
自分が茶帯や色帯の時代、
自分から「昇級審査を受けたい、受けてもいいですか?」と
先生、師範に尋ねたことは一度たりともありません。
かならず、先生方のほうから、
「おまえ、次の審査、受けろよ」といっていただきました。
初段への審査も、もちろん
「次の審査で昇段審査を受けなさい」と支部長にいっていただきました。
極真空手の黒帯は
誰でも欲しいものです。
しかし、自分にはまだまだ、まだ自分は技量も強さも修行も足りない、
と思って稽古に臨むからこそ、成長できるのではないでしょうか?
自分から審査を受けていい、と自分に許可など出せるはずがないと思うのです。
最近、「審査を受けていいですか?」と
聞いてくる道場生が多すぎます。
そういう生徒さんほど、
自分の空手、技術、強さ、すべてにおいて自分の力量が見えていません。
自分を客観視できていないのです。
先生、指導員たちは皆さん道場生の力量を間違いなく見抜いています。
基本、型、組手、どこがわるく、どう直したらいいか、どこがよく、
どう伸ばせばいいか、わかっていますし、そこを指導してくれています。
昇級、昇段できる力量なら、
先生、指導員から必ず声を掛けます。
きつい言い方ですが、先生から「審査を受けていいよ」と言われないなら、
まだまだ力量が足りないということです。
そういう自分に対する厳しさ、稽古に対する臨み方が
狂ってきてしまったと強く感じます。
特に、極真の黒帯は取得できるものは
ほんの数パーセントの人です。
自分が若かったころは、
緑帯の先輩と言ったら、怖くて、恐れ多くて
話しかけられませんでした。
黒帯の先生なんかは、雲の上の存在。
それだけ極真の黒帯に対する、空手の先輩に対する尊敬がありました。
その思いを変える気はありません。
長野支部でも昇級、昇段における指針を再度確認していただきたいと思います。
◆長野支部
黒帯、昇段審査への条件
①基本稽古を指導者レベルでできる
②瞬時に言われた移動稽古でも対応できる
③人間として信頼できる
④組手が強い、または上手い(試合への参加)
⑤支部運営の裏方を理解し、支部に貢献している(弐段以上)
この5つの条件を満たせない限り、黒帯になることは
むつかしいです。これはもちろん、最低条件です。
このすべてをクリアしたうえで、黒帯の先生、先輩から
「審査、受けていいよ」と声をかけられて
やっと審査に臨めるのです。
これに加え、昇段審査には、
合宿への参加、一年以上の1級、審査大会などの手伝い参加、
が必要であり、
筆記テスト、補強、動作の説明、連続組手が
課せられます。
そのすべてで一定以上の合格点が必要です。
あまくありません。
もう一度、言います。
審査は「自分から受けたい」、というものではありません。
先生たちや先輩から「おまえは十分だ、審査うけていいよ」と勧められて受けるものです。
誰でも極真の黒帯は欲しいものです。
でもそれを自分が締めていいのか、締めて道場に来た時に
恥ずかしくない稽古内容、立ち居振る舞いができるのか
もう一度考えてほしいと思います。
こんなことを書かなければいけない時代になったのかと
残念に思います。
自分たちより前の日本人には美徳、つつましさ、ひたむきさがあり、
それが日本人の美しさ、だったんだど思います。
謙虚さ、ひたむきさをもう一度もって、
お互い、空手の修行に臨みましょう。
それが押忍の精神。
尊敬、感謝、忍耐。
押忍! 平尾